15. アウフタクトって何だ?(弱起)の話
15. アウフタクトって何だ?(弱起)の話
最初の小節線の前に置かれる
1つまたは複数の音が弱起になります。
アウフタクト(弱起)を理解している割合の推定は・・(Copilotによる)
一般アマチュア:5〜15%
上級アマ競技選手:20〜40%
プロ:50%前後(理論説明できる人はさらに少ない)
楽譜に慣れている人は自然に理解できますが、
楽譜を見ないダンサーは意識して理解する必要があります。
2004年、中島美嘉と葉加瀬太郎がコラボした
「朧月夜〜祈り」 が「爽健美茶」のCMに採用されました。
さらに Casa Musica「Ballroom Dream」に収録され、
逆輸入 ダンス界で大ヒットしました。
しかし、
競技会でリズムを外す選手が続出した難曲としても有名です。
歌い出しの 「なの」 は弱起で、
前小節の3拍目にあたります。
多くのダンサーは
歌い出し=1拍目 と誤認しやすいのです。
朧月夜は弱起曲ですが、
1拍目から「なの」と歌っても小節に収まってしまう
という珍しい構造を持っています。
そのため、
正しくは「前小節3拍目=なの」
しかし「1拍目=なの」でも歌えてしまう
という厄介な曲なのです。
理由は明確で、
弱起でないと日本語もメロディもフレーズも不自然になるからです。
歌詞の最初は「なのはな」。
な(弱)
の(弱)
は(強)
「は」が最初の強アクセント。
3拍子の1拍目は強拍なので、
「は」を1拍目に置く必要がある。
そのため「な」「の」は前小節の弱起に置かれています。
「な・の」=導入
「は〜」=最初の山(強拍)
強起で歌うと山が1拍遅れ、
フレーズの重心が後ろに倒れます。
弱起=踏み出し
1拍目=フレーズ開始
強起で歌うと呼吸が乱れ、
曲の流れが壊れます。
強起で歌えるのは「歌えてしまう」だけで、
音楽的には成立していません。
だから 朧月夜は弱起でなければならない のです。
中島美嘉版は、
弱起曲なのに強起的に歌える構造
バラードとして再構築
弱起の機能がほぼ消失
3拍子のワルツ感が薄い
4拍子的な揺れが入る
アクセントより情感優先
そのため リズムが取りにくい曲 になります。
ただし、
デモでは非常に映える“美味しい曲” です。
倍賞千恵子は唱歌・童謡を多く録音しており、
声楽的で正統派の歌唱です。
弱起が明確
1拍目がはっきり
ワルツ感が崩れない
聴くと懐かしく、安心感があります。
本来は弱起ですが、1拍目から歌っても成立してしまうため、
強起で歌う人が多い曲です。
弱起を理解していないとやらかしてしまいます。
アクセントを見ると:
強起型:Happy Birthday to you
弱起型:Happy Birthday to you
アクセントは you にあります。
弱起の感覚がないとリズムを外します。
■ 弱起でもズレない曲
知床旅情は弱起が導入として完璧に機能し、
弱起の瞬間に自然に1拍目へ吸い込まれます。
浜辺の歌、琵琶湖周航の歌、アメイジング・グレースも同じタイプです。
これらの曲のリズム外しは ほぼ見かけません。
例:朧月夜、Happy Birthday
例:知床旅情、浜辺の歌、琵琶湖周航の歌
Rumba:4→1 が弱起構造
ChaChaCha:4&1 も弱起型
Samba:2拍目アクセントで弱起的
Jive:弱起曲が非常に多い
Waltz:弱起曲は少なめ
Slow Foxtrot:弱起イントロが多い
Quickstep:弱起曲が多く、シャッセと相性が良い
Tango:ほぼ強起
例外:ラ・クンパルシータ(弱起)
弱起は“助走”、1拍目は“着地”
朧月夜は“強起でも歌えてしまう弱起曲”という特殊性が難しさの原因
中島美嘉版は弱起が曖昧でダンスには不向き
弱起曲には“ズレやすい曲”と“ズレにくい曲”がある
ラテンは弱起構造が多く、スタンダードは種目により差が大きい
朧月夜 英語版 デモ向き